2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『パラークシの思い出』読了。

今回読んだのは、名作といわれるマイケル・コーニイの『パラークシの思い出』。前作の『ハローサマー、グッドバイ』も少し前に読んでます。
さて、いきなりだが…前半が退屈。そこがすごく残念。
というか、あの、これは少年の青春恋愛ストーリーなんですね。それはわかってて読んだんですけど。それにしたってもうちょっとどうにかならなかったのかな、と。
何がって、その、メインである恋愛のところが。
ヒロインの人格がなんかもうひどい。都合がいいとも言えるけど、なんだかすごく、主人公に付属するべくして、寄り添うべくして作られた感が強い。
だってなんかすごくお馬鹿さんじゃない?この子。チャームね。
前作ヒロインのブラウンアイズの方がマシだったかもしれない…と思えるくらい、『情熱的』。そう言うべきなのかな。
地の文が主人公の少年視点だったせいもあるけど、このシリーズ、ヒロインが何を考えているのか、さっぱり想像できない。もっというと、一人の個体としての人格があるのか、よくわからない。いや、あるはずなんだけども。
でもヒロインは合意が取れたと見るや、すぐ主人公を誘惑するわいちゃつくわ…恋は盲目ですかそうですか。少年には願ったり叶ったりですね。でももう少し思慮を見せてくれ。脳みそがあるって示してくれよ…。ほんと反射にしか見えなくてな…。
そういうわけで本編の大半はこの子らが『愛の営み』だのなんだのでいちゃついていて、もううんざりだった。それなら叔父さんが出てるシーンの方が、まだ緊迫感とかあってよかったよ。先を読みたい、この人の秘密がなんなのか知りたい、って思えたから。
そう、SF的設定の部分は結構面白かったんだよね。それにミステリ部分も。ただヒロインとの云々かんぬんがうざったいってだけで…。
人物では、村なし男のジョンが一番気になってた。というか、彼が一番のキーパーソンだと思ってた。なのに結局脇役だったな…それにヘレンも。
ヘレンは登場シーンが少なくて残念だったけど、すごく示唆に満ちたポジションで、かなり好きなキャラクターだった。こういう脇役の人たちの方が、その生活とか性格が気になる。
ジョンとヘレンの組み合わせもだけど、ジョンとミスター・マクニールの関係性も、あまり詳しく語られてはいないけど、不思議で興味深い。特にその距離感が。
ラストはトリガーの台詞が印象的だった。自分は他と違う、だから合わせないといけない。そりゃきっついわ。
しかもその差異が、「他人と違うものがある」ではなく「みんなが持っているものがない」だもんな…。それも精神の根本に関わるところ。もうこれはまるっきり別の種族だ。
だから主人公の父親は本当に微妙な立場で、なおかつすごい人だったんだなと思う。弟を支え、周囲に気を配り、それでいて自分はけして表に出ないようにする。難しいことだよ。
それでも弟は追い詰められてたんだよな。不幸としか言いようがないわ。
うーん。もう一回読むかと言われたら微妙な本だ。
それより『高慢と偏見』を買おうか…。
スポンサーサイト

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』読了。


ジェイン・オースティン『高慢と偏見』が面白かった件について。


『高慢と偏見』、やけに厚みのある本だし、古いし、この語り口だしとかなり読みづらそうだし……と最初は読み通せるかも分からなかったのに、すごく面白かった。

ファンタジーでもミステリーでもない、ごく普通の恋愛もの。しかも「世界名作全集」に入ってそうな古い作品。いつもなら絶対「ふーん」で終わるところなのに、やけに面白く感じた。

なんでだろう。と、いろいろ考えてみた。ネタバレありです。


1.自分の方にある要因

まず一つ目は、ジェイン・オースティンという作家に出会ったのが初めてだということ。

初めて読むということは、その作家の傾向が分からないということだ。それこそ、ハッピーエンドが好きなのか、シニカルな作風なのか、主人公がめちゃくちゃひどい目にあわされるのかも分からない。

だから、変に先を予想して読みたくなくなったり、興ざめしたりすることがなかった。この予測できなさが良かった気がする。

次、二つ目の要因。なんだかんだいって、私は古い時代の物語が好きだ。

ちなみにこの本を図書館で借りたとき、江戸時代が舞台の時代小説だ。これはこれで面白かった。

昔から歴史とか時代物が好きで、レトロなものが好きだったので、この作品が18世紀末のイギリスというのは、とても趣味に合っていたと思う。

馬車が現役の時代ってのがいいよね。馬車。実際に乗ったらすごく揺れてきついだろうけど。

ともあれ、通信手段と言えば手紙、移動手段といえば馬車、今と比べたらかなり不便な時代。それくらいの時代の方が好きだ。



2.作品そのものについて

今度は、自分だけでなく作品本体が面白い理由について考える。

やっぱり、王道っていうのがいいのだろう。

主人公は、五人姉妹の長女ジェインと次女のエリザベス(と考えておく)。

ジェインの恋は、「素敵な人に会った!たぶん両想い」から、「でもあの人は遠くに行ってしまった。気持ちが分からない……」となり、最終的には「やっぱり両想いでした」というストレートさ。

一方でエリザベスも王道。「何あのひと、やな奴!」という耳をすませば的なところから、いろんな話を聞いて「やっぱりやな奴じゃないの」と他の人が気になったりしてたら別の噂で「あれ?本当は良い人なのかも……」、ある事件でお世話になって「どうしよう、やっぱり良い人だった!」と印象が180度転回。

面白かったのは主に後者、エリザベスの話。彼女はしっかりと自分の意見を持っていて、それをはっきり言い出せる人。(特にラストの夫人との応酬とか、ダーシーとの決定的瞬間のやりとりとか、ほんとスカっとする)

というわけで、相手役であるダーシーに抱いた印象(というかまあ、嫌いだということ)をわりとはっきり言います。一応社交界云々の話なので言葉遣いは丁寧で慇懃だけど。

ダーシーも愛想ないしお互いつんけんしてます。でも彼の方が先に、エリザベスに対する印象を覆される。

そして後からエリザベスの方も印象を変える。この、登場人物が相手に抱いた「印象の変化」が作品の魅力かも。

しかも二人とも苦悩しながらも認めざるを得ない、どうしても認めないわけにはいかない、としぶしぶ受け入れているわけです。そこがけっこういい。なんだかんだ言って二人とも素直。

というわけでエリザベス可愛い。最初は「偏見」にさらされていても、「私は偏見を持っていた」と気づいて後悔したり、相手の良い部分も徐々にだけど受け入れていく。その過程や揺れ具合がすごく良かった。「キャラクター」というより「人間」って感じ。ジェインのひたすら善良な性格よりも人間味があるなって。

たくさんいろんなことについて分析して考えて、冷静で理性的で、でも自分の気持ちを否定するわけでもない。すごくバランスが取れている人だと思う。そういうところもエリザベスの魅力なのかな。

ここまでで、
・王道のストーリー(人間はみんな王道が好きだよ!)
・登場人物の感情や考えの変化、揺れ
・人物の性格そのもの
が、魅力ということが上がった。

あとはなんだろう。

人物に関して言えば、あの、ジェインとエリザベス以外の家族はとんでもないんですけどね……とくにお母さんがね。

あのお母さんはきつい。ついでに言うと末の妹もマジやばい。おかげで姉二人はかなりやきもきするわけです。

ああ、この辺もいいのかな。あのとんでもないお母さんと末っ子のおかげで、ジェインとエリザベスがすごく魅力的に……お母さんは反面教師かな。

そうだこれもだ。
・現代の女性も共感できるところ
これだ。

何が恐ろしいってこのお母さん、とにかく五人姉妹を「片づけ」ないとって躍起になってるところ。片づけってのはつまり結婚である。

オールド・ミスにならないように、とにかく嫁がせたい。もちろんお金があって、立派な紳士で、近所に土地と邸宅があって……ものすごい高望みだけどとにかく妥協していいから嫁に行かせないと、とまあ、娘たちを急かすわけです。

これは娘たちには結構なプレッシャーになります。特に女性が働くことのない時代だし。もろもろきつい。

現代でもあります。成人して働き始めて、楽しくなってきたかなーとか思ってたら「結婚は?」って。

この一言、超怖い。このあたりが今現在の私にもすごく響いている。作中で「姉がオールド・ミスになったら面倒見ないといけないんだよなあ……」とか心配されていたシャーロットと同い年だし。

シャーロットの場合は取るに足らない人物と結婚することになるわけですが、それもこの恋愛物語において珍しくも、「家庭を持ちたい」という理由から。彼女も相当なプレッシャーがあったんでしょう。

前述の、この本と一緒に借りた時代小説も『姫は、三十一』(風野真知雄)で、まあこのお姫様も三十一歳なのに結婚してないんですが。

えー、つまり、いつの時代も女性は結婚と結婚を急かす周囲(特に母親)に悩まされる、というところ。この作品全体のテーマが今の私にぴったりだったわけですね。

あ、もしかしたら五人姉妹というのも……自分も三姉妹だからなんとなく共感しやすかったのかも。ちなみに若草物語もわりと好きだったりする。

つまり、「自分と共通した状況・境遇」。それでいてハッピーエンドだったことも、楽しめた要因だろう。自分の状況には影響がないにしても。



こんなところだろうか。

まとめると、
・初めて読む作家で新鮮だった
・古い時代が舞台で、趣味に合っていた
・王道のストーリー展開
・登場人物の揺らぎ、変化
・登場人物の性格
・今の時代の人(含む自分)と似た状況、状態で共感できる
こんな感じ。

そうか、これが面白さの要素かー。
読後感も良かったしね。これも良さだ。

ああよかった。面白かった。ハッピーエンドだし。
恋愛ものを楽しめた新鮮さも。

『ろまん灯籠』読了。

もう月一の更新ですらなくなってきてるな…

今回は青空文庫で読んだ、太宰治の『ろまん灯籠』。

病院の待ち時間にためしに読んでみたら、意外と面白かった。

太宰治の知り合いの家族をモチーフに描いてるので、半フィクションといったところ。

個性的な4人兄弟が、今で言うリレー小説を書いていく話なんだが、その中身はもはや小説ではない(笑)

最初の一人はまだしも、次に続く人はだいたい「前の文章はこんな感じだったが、自分が思うにこうなので…」みたいな感じでいちいち自分の考えをじかに書き出している。

考えを物語に落とし込むより先に述べてしまう。その考えは、続く物語に影響はしているけれども、でも先に言っちゃってどうするんだ(笑)

太宰の人物描写って、その人のちょっとイラっとするようなところと、共感できるようなところと両方を指摘してくれているので、こいつ嫌だわー、とこ思っても完全には嫌いにならない。

次女は酷かったな…あいつ自分に酔って他者を近づけないタイプだ。

でも太宰の文は長男に同情的というか…一番気持ちを寄せていて、フォローしてる印象だった。「馬鹿にはされてるけど、こいつもこういう気持ちでやってるんだよ」って。

自分もそういう気持ちで生きてたのかね。

しかし、暇だからってこんな遊びするんだから、仲良いよなこの兄弟。

内心馬鹿にしながらもこんなことしてるんだから、まあ悪くないか…いや長男大変そうだけど。

しかしお祖父さんのメダルの話は、ほんと…まさかあんなオチが待ってるとは。

ラストあれに全員が感動とか、わりとシュールじゃないかね。


『西風の戦記』読了。

久々に本の感想。

田中芳樹の『西風の戦記』。ゼピュロシアサーガ。

まあなんというか、シンプルな話でした。

駆け足というか。あまり深くつっこんでないというか。

あっさりしすぎたかなー、これもっと長い話にすればいいのに、と思ったが、なんせ田中芳樹なのでそんなことをしたら一巻の終わりというか終わらないだろう。

こう考えると、一冊分に収めたのは賢明だな…いつまで経っても続きが出ない苦しみをこれ以上味わいたくない。

創竜伝いつ次出るんだよ!って随分前から思ってるぞ。

中身について。

まあわかりやすくてあっさりしてて、安心して読めるタイプ。

主人公達も、別の世界行ったのに酷い目に遭わないしね。

これが小野不由美だと大変なことになるわけだが…。

あとハッピーエンドだったしな!よかったよ。

あと田中芳樹作品ではよく出る理不尽な体育会系とかね、典型的でね!

勧善懲悪っていいのかわからんけど、悪役は悪役らしくてよかった。

でもちょっとやっぱり物足りないかな…。

あと戦場の場面が想像できなくて…。

とりあえずあれだ。もっと濃密なのが読みたいので、銀英伝を読まなければ。

あとアールスラーン戦記が荒川弘で漫画化するし楽しみだな。

『ナルニア国物語』シリーズ読了。

前から少しずつ読んでいたナルニア国物語、とうとう最後の巻まで読み終わりました。

感想です。ネタバレが少しあるので注意。



面白かったなあ…物語もだけど、話の構成がすごく面白かった。

それに一つ一つの話がシンプルで、わかりやすい上に、描写は丁寧なんだもんな。

その描写が、子供にお話をしてあげるような言い方だから柔らかくて入ってきやすい。

実を言うと、丁寧語の翻訳で物語を読むのはものすごく苦手。

なのでナルニアも最初は途中までしか読まないで図書館に返してしまったわけだ。

でも読めた…勧善懲悪で安心できる話だったからね、頭疲れてるときは最適だったんだ、きっと。

もうほんと、ゲドや指輪物語と段違いだったよ。



それにしても、ラストびびったわ…。

ちょ、ナルニアってこれイデア界なの

そんでこれまでのナルニアはイデア界の影なのかよ!

という驚愕。

あー本当にびっくりした…てことはアスランはイデア界の住人なの…?

そしてみんな死んだらイデア界に還るんですね。



というか最後にずいぶんあっさり言ったよね…鉄道事故でみんな死んじゃったから☆ってアスランあんた…。

本当になんなのアスラン…。

というか、なんでナルニア作ったんだ?

アスランが作ったのって、影のナルニアだよね?

わざわざ影の国を作った理由はなんだ。作中で言ってたかな?思い出せない。

まあ作者のルイスさんが作りたいから作ったと言ったらそれまでなんだが。

あとなんで創造主をライオンにしたのかな。

その辺は研究書とか読めば、いくらでも解釈出てきそうなのでそのうち読んでみるつもり。



さて、次は何を読もうかなー。

とは言っても、今はまだオズが途中だ。しかもこないだ順番間違えて読んだからわけわからん。

オズも安心して読めるからいいよね。

物語を作った理由が「教訓とかいらないから、子供たちが楽しめるものを!」だからちゃんとハッピーエンド。

いいですよねハッピーエンド。

その一方で殺人事件の本とか読みたくなるから不思議ですがね。

とにかく、また何か新しいシリーズ本を探します。

























ところでスーザンまじorz

ナルニアをお伽話扱いしたおかげで命拾いしたけど、一人生き残ってどうするんだろう…

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

鈍色

Author:鈍色
鈍色だったり丼だったりYOUだったり、と場所によって名前が変わってます。でもだいたい丼と名乗る。
本と漫画とゲームをこよなく愛しつつ、しかし時折拒絶反応が出て、なおかつ活字中毒症状が出て死にそうになります。
歴史とか神話とか宗教とか大好きです。
哲学無き人生は無意味。とか言ってみる。

ネガティブな言葉

 

presented by.悲観的なピエロ

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (40)
本 (75)
ゲーム (130)
日常 (76)
つぶやき (81)
アニメ (54)
学校 (13)
語る (39)
動画 (7)
テレビ (4)
就活 (18)
ウディタ (11)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。